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朝日記者に談合容疑者が現金15万円


朝日記者に談合容疑者が現金15万円_d0000709_0131454.jpg和歌山談合:井山容疑者から朝日記者が現金受け取る

 朝日新聞社は16日、大阪本社社会部の男性記者(41)が02年と04年、和歌山県発注の土木工事を巡る談合事件で起訴されたゴルフ場経営会社元社長の井山義一容疑者(56)=所得税法違反容疑で再逮捕=から、転勤祝い10万円と出産祝い5万円の計15万円を受け取っていたと発表した。同社は「取材先との適正な関係を逸脱し、記者のモラルに反する」として、同日付で管理本部付に異動させた。
 大阪本社広報部によると、記者は社会部の堺支局に勤務していた00年ごろ、オオタカの営巣を取材するため、井山容疑者が実質経営するゴルフ場「天野山カントリークラブ」(大阪府河内長野市)を訪問。同容疑者と知り合い、地元建設業界や談合情報、関西圏の裏事情に詳しいことなどから付き合うようになった。
 02年8月、異動で大阪を離れることになったため、ゴルフ場へあいさつに行った際、「御転勤御祝」と書かれた封筒を渡された。また、大阪勤務に戻った04年9月にもあいさつに立ち寄り、子供が生まれたことを知った井山容疑者から「御出産御祝」と記された封筒を受け取ったという。
 記者は、いずれも封を切らず、カバンに入れたままにしていた。大阪を中心に発行されている情報紙に15日、「大手紙記者に現金100万円」との記事が掲載されたため、本人が申し出て発覚。同社が聞き取り調査をした。その結果、記者はもらったままの封筒を上司に提出し、「固辞したが押し切られた。関係を維持したいと考え、返すと強く言えず、時間が経過した。反省している」と説明したという。
 同社は「記者は一連の談合事件の取材には直接携わっていないが、年表作成や現場からの原稿のとりまとめなどはしていた」と説明。一連の事件が発覚した後、記者が井山容疑者の携帯に電話したが、つながらなかったという。
 井山容疑者は00年9月の和歌山県知事選で、現知事の木村良樹容疑者=2日に辞職表明、15日に競売入札妨害容疑で逮捕=の擁立に深くかかわり、木村県政下で官製談合の“フィクサー”として活動。業者の受注希望を業界のまとめ役だった大林組元顧問の日沖九功(ちかのり)被告(64)=競売入札妨害罪で在宅起訴=や県側に口利きする見返りに、数千万円単位の謝礼をゼネコンから受け取っていたことが分かっている。

  松本正・朝日新聞社広報担当の話 社会通念を超えるせんべつやお祝いを受け取ったことは、取材先との適正な関係を逸脱しており、元社長の逮捕後も社に報告していなかった。記者としてのモラルに反する行為であり、厳しく処分する。
  田島泰彦・上智大学文学部新聞学科教授(メディア倫理)の話 取材対象者と記者の間に、明確な説明の付かない金品が介在することは、取材される側の思惑が働いて公正な取材、報道をゆがめる可能性があり倫理上許されない。今回のケースは、額が驚くほど大きくはなく、「祝い」という説明もあるが、その自覚があったからこそ、記者は未開封のままにしていたのだろう。公務員のように法で縛られてはいないが、報道は社会に与える影響が大きく、記者は厳しく自らを律する必要がある。
by afternoon_news | 2006-11-17 00:13 | ニュース
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