負債総額23億円 『ビデオボーイ』『デラべっぴん』など男性用アダルト雑誌を発売していた英知出版(上野文明社長)が倒産していたことが5日、分かった。3月30日付で事業活動を停止し、今月中に自己破産を申請する予定という。負債総額は約23億円の見通し。出版不況やインターネットの普及など外部環境が悪化するなか、ヒット作に恵まれなかったことが経営を直撃したようだ。 民間信用調査機関によると、英知出版は1982年7月に設立。アダルト雑誌のほか、『411(フォー・ダブワン)』『韓国TV映画ファンBOOK』など一般雑誌の出版・販売を手がけて成長してきた。 96年3月期には単体売上高が85億円、従業員も100人規模まで拡大したが、半面、94年12月には、約26万部のアダルト雑誌『Beppin(べっぴん)』がわいせつ図画販売容疑で警視庁に摘発されて廃刊。96年1月には、東京国税局に約11億円の申告漏れ(関連3社を含む)を指摘され、追徴税額約5億6000万円を支払うなど所得隠しが判明したこともあった。 一連の事件、騒動を受けて、96年3月に別会社を設立してアダルト雑誌の出版事業を移管。その後、英知出版は主力をファッション雑誌の出版・発売に切り替えた。 だが、これ以降、ヒット作に恵まれず、出版不況とネットの隆盛など外部環境も加わり、資金繰りが悪化。01年に同社の全株式をセブンシーズホールディングスが取得するなど、親会社が転々とし、04年にはティーケーパートナーズに全株式が譲渡されていた。 「そのティーケー社が3月27日に自己破産申請の準備に入り、連鎖倒産したようだ」(民間信用調査機関)という。 同社を知る関係者はこう振り返る。 「ブルセラがブームになった1990年代までが黄金期だった。1999年11月の児童ポルノ法施行で、営業環境が一変し、女子高生のセミヌードや中学生のきわどい水着姿が掲載できなくなった。その後は(タダで無修正動画が手に入る)インターネットの普及もあり、別会社に移管したのは正解だったが…」 英知出版をめぐっては、カトリック系の英知大学(兵庫県尼崎市、学生数850人)が、「英知」をネットで検索すると、アダルト雑誌のイメージが強い同社がヒットすることなどを問題視。同大は08年度から学校名を「大阪聖トマス大学」に改める騒動もあった。
by afternoon_news
| 2007-04-06 11:45
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