早い話が ホームページにない 首相官邸のホームページに安倍晋三首相の活躍を紹介する「総理の動き」がある。 4月26、27日の訪米は記事のタイトルが「米国・中東諸国訪問(米国)」。会談概要や共同声明などの文書、内外記者会見の一問一答が載っている。 だが、この内外記者会見は少し奇妙だ。訪米のハイライトは、キャンプデービッドで行われたブッシュ大統領との首脳会談だった。会談後、大統領といっしょにやった内外記者会見はテレビ中継された。ところが、ホームページに載っているのは、エジプトでの総括会見だけなのだ。 なぜキャンプデービッドの記者会見を載せないのか。この記者会見では「慰安婦問題」への「謝罪」が注目された。その記録を残したくなかったからか。ホワイトハウスのホームページは、会見全文を載せている。 あの時、首相は「慰安婦の方々が非常に困難な状況で辛酸をなめられたことに対し、人間として、首相として、心から同情し、申し訳ない思いだ」と言った。英文の記録によると、日本語の「申し訳ない思い」は、「リグレット(遺憾)」ではなく、もっと重い「マイ・アポロジーズ(謝罪)」と訳されている。だから大統領は「首相のアポロジーを受け入れる」と応じた。 「申し訳ない思い」は、感想であって「謝罪」の行為ではない。だが、大統領も記者たちも、「謝罪」だと理解した。あうんの呼吸である。 米国議会では、従軍慰安婦に謝罪するよう要求する決議案が準備されている。そんな中で「シンゾーはちゃんと謝ってるよ」と、ジョージが助け舟を出した。それには首相の謝罪が前提になる。首相は「申し訳ない思い」としか言わないが、大統領は謝罪と受け取るという通訳のマジックを利用して、慰安婦問題を封じ込めたのである。 だが、このやりとりをホームページで宣伝しようとしない。首相はあとになって「米国に謝罪したわけではない」と不満をもらしているという。謝罪は避けたのに、謝罪したという評価が定着し、不本意なのだろう。 首相は、米議会でも慰安婦問題で同様の説明をした。外電によると、議員のスタッフが集まって談話を分析した。「本当の謝罪ではなく、河野談話より後退した」という結論だった。謝罪したと思ってほしい米議会人は、謝罪と受け取っていない。ままならないものだ。
by afternoon_news
| 2007-05-11 12:45
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