楽天・田中がプロ初完封、出たぞ自己最速直球151キロ! どうしても最後は真っすぐで決めたかった。九回二死一、二塁から中村公を追い込むと、田中は藤井のサインに首を振り続けて直球また直球。四球で満塁として、井端にもカウント2-0から直球。大きく外れたところで観念して、フォークで空振り三振。プロ初完封は苦笑いで締めた。 「アホウ!!」 野村監督は鬼の形相。大目玉を食らった。右手で握手、左手で頭をはたかれた。だが師匠の顔がたちまちほころぶ。田中もすぐに満面の笑顔で、左翼スタンドへ一直線。バンザイをくり返して、喜びを爆発させた。 「バカやっちゃったなあ、と思った。色気出して真っすぐでいって、怒られたので複雑です。でも終盤変化球が抜けていたから。間違ってたとは思いません」 何度も捕手のサインに首を振って直球を投げ込んだ。六回二死三塁で迎えた森野への5球目に首を振って150キロ、さらに生涯最速の151キロを続けて空振り三振。それだけ直球に手応えを感じていたからだ。 ブルペンでの投球数を増やし、走り込みも増やした。レッドソックスの松坂が、西武時代の調整に戻したように、田中も高校時代に近づけた。プロ入り後10キロ近く体重は増えたが、ようやく体のキレを取り戻した。150球を投げても、球威は落ちなかった。 練習前のクラブハウス。野村監督は、ベルサーチのスーツのままバッテリーミーティングに飛び込んだ。「スキを見せるな。ムダに走者を進塁させるな」。熱弁1時間半。田中、青山ら若い投手陣の欠点をひとりずつ指摘した。「内容は言えない。でも伝わりました」。セの王者をねじ伏せて、4連敗でストップ。田中は大黒柱の働きで応えてみせた。 「現代っ子だな。最後は150キロで三振、と夢描いたんやろ。まだ知らねえな。力任せはバカでもできる。速い球で三振を取りたきゃ、力を抜かなきゃ。随所に若さが出るけど、きょうは点を取られる気がせなんだ。安心して見ていた」 これまで何度も「若さがない」と不満を漏らしていたスーパールーキーが見せた、一途で無鉄砲な姿。だから野村監督のほおも緩んだ。歴代5位に並ぶ記念の白星を、だれより期待する18歳の若武者がプレゼント。田中は確実に、エースの階段を上り始めた。
by afternoon_news
| 2007-06-14 11:38
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