五輪シーズンがスタート トリノ五輪に向けて、すでに戦いは始まっている――。6月25、26の両日、フィギュアスケートのファンにとって待望久しい「Dremes on Ice 2005」が日本スケート界のメッカ、新横浜プリンスホテルスケートセンターで開催された。 出演したのは日本の有望選手たちに加えて、2001年、03年、04年の世界選手権の覇者エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、3月の世界選手権で3位という成績を残したカロリーナ・コストナー(イタリア)ら海外ゲストを含めた国内外の男女のトップ選手たち。このままワールドツアーに出発しても恥かしくない豪華な顔ぶれである。 毎年3月末から4月下旬にシーズンを終えるフィギュア選手は、その後6月までの間に選曲、振り付けをほどこし、新しいプログラムを作成する。つまり、この日のイベントは各選手とも五輪シーズンに向けて作られたエキジビション用プログラムを初披露する場所となり、例年にも増して注目度が高く、約1500人のファンと150人あまりの取材陣が詰め掛けた。 その中で、とりわけ熱い視線を送られたのが、熾烈(しれつ)な五輪代表争いが予想される女子シングル。特に安藤美姫(中京大附属中京高)、荒川静香(プリンスホテル)、村主章枝(ダイナシティ)の3選手だった。 自信を取り戻した安藤美姫 昨季の全日本チャンピオンで、世界選手権6位の実力を持ち、今や国民的アイドルといっても過言ではない人気を得た安藤美姫。今回披露したエキシビションでは、フリフリの段々スカートが付いたピンクの衣装で登場し、『Ac-cen-chu-ate the Positive』という曲を使用している。 「振付師の先生からは『ちょっとかわいく、ちょっとセクシーに』と言われていたので、それを意識して滑りました」 と言うように、キュートさをアピールする振りがたくさん盛り込まれている。 まだ動きや表情が少し硬く、振りを演じきれていない部分もあったが、エンディングのI字スピン(左足を前に180度近く高く上げて、両手で持ちながら回るスピン)などは以前よりスピードや回転数が増し、成長の跡が見えた。そして、何よりもようやく愛らしい笑顔が少しずつ戻ってきたのは頼もしい。 安藤は、今年の5月から北米のクリーブランドに拠点を移している。1960年スコーバレー五輪女王でジャンプの先駆者と言われたキャロル・ヘイス・ジェイキンスに師事し、充実した生活を送っているようだ。 「まずは『もう一度スケートを好きになれたらいいな』と思ってアメリカに行って、好きになることができたので良かったです。(新コーチは)笑顔がすごく素敵で、心の温かいコーチです。(トレーニングは)氷上は毎日3時間乗って、あとは基本的なトレーニングをやっています。(コーチから受けた技術面の指導の)内容は秘密です(笑)」 コーチとも信頼関係を築きつつある。 「去年は自信を持ってやれた試合が一つもなくて、スケートもあまり好きになれなったのですが、キャロルコーチに会って『あなたは素晴らしいのだから、自信を持ちなさい』と言われてすごくうれしかったです」 新プログラムの振り付けは、カナダのデビット・ウイルソンが手がけた。 「今までの自分からは想像できない曲になっていますし、不安もありますが、違う自分が見つけられる曲なので楽しみです。フリーはアップテンポな部分がなく、最初から最後までテンポが同じシックな曲です」 ウイルソンといえば、選手の個性を最大限に生かし、独創的なプログラムを構成することで知られている。昨季は男子の織田信成の振り付けを担当し、和のテイストを生かしつつユニークな振りやステップを生かした『座頭市』のフリープログラムで、それまでノーマークだった織田を世界ジュニア選手権優勝へと導いた。 昨シーズンは、結局一度も成功されることのなかった4回転ジャンプの調子も上がってきている。 「今年はもう今から練習をしていて、軸もしっかりしているので、昨年よりは自信を持って取り組んでいます。トリノへ行くことができたら、夢の舞台で降りたいです」 「(トリノは)曲と自分がマッチするように頑張っていきたいし、見に来ている人の心に残るような演技をしたいです。日本の女子はすごく強くて、トリノに行くのもすごく苦労すると思いますが、今年は自分に自信を持てているので、その自信をいい方に持っていって、GPシリーズ、全日本でも頑張って、いい演技がトリノでできるように頑張りたいです。(メダルへの想いは)メダルよりも見ている方の心に残る選手になりたいので、気持ちよく滑れるように練習していきたいです」 新たな環境のもとで大切な“自信”を取り戻しつつある今シーズン。安藤の新たな成長や変化を遂げた滑りを見ることができそうで、楽しみである。 荒川静香、現役最後の五輪に懸ける想い 新しいエキシビション・ナンバーを披露する選手が多い中、昨シーズン好評だったミュージカル・キャッツの『Memory』をそのまま滑った荒川静香。 「今日は去年のままのエキシビションで滑り慣れていたので、ジャンプは失敗してしまいましたが、自分では気持ちよく滑れました」 世界選手権の覇者として、現役を続行するかどうか決めないままシーズンを迎えた昨シーズン。靴の不調もあって十分な滑り込みもできず、今年3月の世界選手権では9位という不本意な成績でシーズンを終えてしまった。 「去年のこの時期は、シーズンを迎えるのか迎えないのかという迷いがあって、そのままシーズンに入ってしまったという感じだったので、目的を持って練習をできたという感覚がなかった。(今年は)自分でスケートを滑りたいと思って滑れるようになったので、そこが大きな違いかなと思います」 その気持ちが氷上の演技にも表れていた。「スケートを楽しんでいる」というすがすがしい表情で、足を頭上高くで持つスパイラルや、曲のクライマックス部分で見せた体を大きく後ろに反らすイナ・バウアー。荒川独特の柔軟性を生かしたポーズや振りを一つ一つ丁寧にこなしており、スケールの大きさをいつも以上に感じさせた。ステップはややキレがなかったが、スケーティングのエッジ使いは、無駄な力が一切入っていない。一歩一歩がスーッと伸びて、氷に吸い付いている感じだった。 「(今シーズンは)ひたすら楽しく滑れたらいいなと思います。そのためには日頃からきっちり練習しないと滑れないと思うので、その点で楽しくシーズンを過ごせるように今、自分を追い込んでいって、楽にいけたらいいなと思います。(トリノに向けて)現役としていける最後の五輪になると思うので、悔いの残らないような生活を送りたいです。トリノに向けてというよりは、シーズンが早く終わってしまわないよう頑張っていきたいと思います」 2004年世界選手権優勝時と同じような気持ちで大会本番を臨むために、すでにタラソワコーチのハードなトレーニングを受け、自分を追い込む覚悟ができている。 競技用の新プログラムは、今季も昨季同様タラソワコーチが振り付けを担当。 「今年はショート、フリーともにバリバリのクラシックです。ショートは強い感じの曲。フリーは少し単調に聞こえるかもしれないのですが、演奏が強い感じのものなので、その強さをスケートでカバーして、強弱を付けていけたらいいなと思っています」 昨季まで『蝶々婦人』や『ロミオとジュリエット』などストーリー性の高い曲が多かっただけに、今季は正統派クラシックのプログラムで、どのような高度な技術要素を組み込み、インパクトの強い表現を見せてくれるのか。 観客を存分に楽しました村主章枝 昨シーズンの前半はジャンプの不調に苦しんだものの、シーズン最後の世界選手権にピタリと照準を合わせ、日本人選手最高の5位となった村主。今回のエキシビション・プログラムは4月のプリンス・アイスワールドのアイスショー公演でも披露した『キダム』だった。 この曲は、序盤、中盤、終盤で曲調が変わり、「起承転結」で一つのストーリーが表現されている。各パーツの曲に合わせて、小道具の赤いボールを巧みに操り、時には妖艶(ようえん)さを、時には強さを表現する。中盤には赤いボールの中から、携帯ストラップが入った小さなカプセルを観客に投げるというファンサービスもあり、観客を楽しませた。村主の演技力、雰囲気作りのうまさを再認識できた上、違った一面を垣間見ることができる新鮮な演技だった。 「今は新しいプログラムをこなしたり、体力的なもの(トレーニング)をやっています。五輪のシーズンだから特別にということではなくて、どの試合でもお客さんはいい演技を期待されて見に来ていただけていると思いますので、そういう期待に応えられるようなものにしたいなと思います」 技術的にも、3回転ルッツを成功させ、後半はキレの良いステップや、高速スピンなどを披露した。 今シーズンの新プログラムについては次のように語った。 「ショートの方は、ギターの曲でフラメンコっぽいものに挑戦したいと思っています。フリーはクラシックな曲を選びました。新プログラムのテーマは佐藤コーチからは『インタビューでテーマを語らなくてもいいように頑張ってください』と言われたのですが(笑)、私の中ではショートは『強い女性』というものを、フリーは『光と影』というのを掲げて頑張っています」 トリノに向け、何か技術的に新しいことをやっているかという質問には、 「五輪のシーズンだからということではなく、世界選手権でも五輪でもお客さんのために100パーセント尽くすということは変わりないので、五輪だからということで特別に変わったことはしないと思います。その反面、五輪ということでたくさんの方が日本選手に期待しているところがあると思うので、みなさんが『良かった』と言ってくださるような演技をすることが、私の課題だと思っています」 と話した。 世界選手権後、オフらしいオフをほとんど取っていない村主。4月からシカゴ、トロント、新横浜という3つの練習場所で、リンクとバレエとスポーツジムを往復する日々を送っている。そんなハードスケジュールの中、絶大な信頼をおく佐藤信夫コーチとともに、ソルトレークシティに続き2度目の五輪出場を目指す。 「今は、自分への挑戦だったりとか、目標を達成したいという気持ちが強くなってきていて、その発表というか、見ていただける場として、それぞれの大会があるという感じなので、(五輪に対して)すごく思い入れがあるということはないです。しかし、私が強く想いを持てば、多くの方にそれが届くと思いますし、多くの方はメダルも期待していると思いますので、それも想いがなければ届くものも届かないと思うので、『想えば通じる』と考えてやっています」 3選手に加え、今季、弱冠15歳でシニアデビューする浅田真央(グランプリ東海クラブ)が『オズの魔法使い』の曲に合わせてドロシーを可憐(かれん)に演じたり、エフゲニー・プルシェンコがボディービルダーの格好をしながらノリノリに踊って、観客を沸かせていた「Dremes on Ice 2005」。 どの選手もジャンプは本調子ではなく、新プログラムもまだまだ荒かったが、スポットライトの下で、どの選手たちも気持ち良さそうに滑っていた。観客に“魅せる”ことに重点を置いたショー形式のイベントで、通常の競技会とは異なる大きなもの得たに違いない。 <コメント> 安藤,荒川,村主の3選手を軸に女子フィギュアスケートは盛り上がってきていると感じ,オリンピックへ向けてこの1年,目が離せない感じです。 日本ハム ダルビッシュ 松坂に投げ勝つ 先発で2戦2勝 日本ハム4―2西武 日本ハムは同点の七回2死満塁から、西武・松坂の連続押し出し四死球で勝ち越しの2点を挙げた。日本ハムの新人ダルビッシュは7回2失点と好投。松坂に投げ勝って、先発で2戦2勝。高卒新人の初登板から2試合連続白星は、ドラフト制後4人目。西武は4連敗。 注目の初顔合わせ、ダルビッシュに軍配 かつて「超高校級」と騒がれた2人の右腕がマウンドに登った。日本ハムのダルビッシュと西武の松坂。ともに甲子園でノーヒットノーランを達成し、高卒新人でプロ初登板勝利。注目の初顔合わせは、後輩ダルビッシュに軍配が上がった。 18歳のダルビッシュは2回目の登板。立ち上がりの一回、1死から赤田に四球を出し、二進後にカブレラに適時右前打を打たれた。「初回から落ち着いてほしい」と、立ち上がりの大切さを指摘したヒルマン監督の懸念が当たった形だが、ここからが並の高卒ルーキーではない。 「調子はあまりよくないけど、頭を使って抑えていきたい」と試合前に話した通り、力ではなく、投球術で勝負する落ち着きを持っていた。 西武の土井ヘッドコーチは「いろいろなボールを投げるが、メーンは速球。147~8キロの球を投げ込まれると、(好調の西武打線も)分からない」。ダルビッシュはその警戒される直球ではなく、シンカーやチェンジアップなど多彩な変化球で、尻上がりに調子を上げた。和田、カブレラらが並ぶ西武の重量打線を7回5安打2失点に抑える堂々としたピッチング。 これに対し、松坂は「絶対負けたくない」と意地の投球を続けたが、同点の七回2死満塁で、まさかの2者連続の押し出し四死球を与え、先に崩れてしまった。ダルビッシュの新人離れした落ち着いた投球が、プロ7年目、24歳の投手心理に微妙な影響を与えてしまった。 日本ハム・ヒルマン監督 (ダルビッシュは)ピンチに立たされても動じない。若い選手に簡単にできることではない。たぐいまれな才能だ。 西武・伊東監督 (ダルビッシュは)初物なので、球の軌道が分からなかった。簡単に勝たせてはいかんのだが…。 日本ハム・ダルビッシュ ピンチでも力を抜いて、しっかり投げようと思った。(七回で降板)まだいけると思ったが、チームの流れを変えたくなかった。 西武・松坂が八回4失点(自責3)で9敗目(5勝)。七回2死一、二塁で二塁ベース付近に転がったゴロを、記録に残らない拙守でアウトに出来ず、満塁となって気持ちが切れた。まさかまさかの連続押し出し四死球。 「自分も含めて、ワンプレーに気持ちを入れていかないと…」。1点リードの二回2死一塁で高橋信に適時二塁打を打たれた場面では、同点で済むところを、お手玉や悪送球で逆転の2点目を献上(記録は栗山、フェルナンデスの失策)してしまった。「毎度毎度のことなんで」(伊東監督)という守備の乱れ。「若い選手が多いので、もっとがむしゃらになってほしい」と松坂。いつもの自滅パターンにいら立ちを隠せなかった。 <コメント> やはり,甲子園でノーヒットノーランを達成しているピッチャーはモノが違う!!ダルビッシュ投手はとにかく,このまま軌道に乗っていって欲しいと思います。 阪神9ポジション占める 球宴ファン投票中間発表 プロ野球サンヨーオールスターゲーム(7月22、23日)のファン投票は27日、最終中間発表が行われ、セ・リーグは阪神が先発投手と一塁手を除く9ポジションを占めた。パ・リーグはロッテとソフトバンクが各4部門でトップを分け合った。 ファン投票の最終結果は7月7日、監督推薦を含めた全陣容は8日に発表される。 セの先発投手は上原、一塁手は清原(ともに巨人)がトップに立ち、パの外野手では新庄(日本ハム)が大きくリードしている。 両リーグを通じた最多得票は城島捕手(ソフトバンク)の53万5352票、セは赤星外野手(阪神)が50万6963票で1位。 <コメント> 阪神は人気では,リードしている感じなんですが…ペナントレースの方も,そうそう簡単に自滅する感じではなく,むしろ自滅は中日の方? この勢い,信じていいの?? 谷選手がおめでた 世界選手権を辞退 女子柔道のシドニー、アテネ両五輪48キロ級金メダリスト、谷亮子選手(29)=トヨタ自動車=が27日、東京都内のホテルで記者会見し、9月にカイロで行われる世界選手権代表辞退の理由が妊娠したためであることを明らかにした。現在は妊娠3カ月で、出産は来年2月の予定。 谷選手は「田村で金、谷で金、そしてママになって金。これが一番の夢」と笑顔で話し、出産後も引退せずに3年後の北京五輪で金メダルを狙う目標を明言した。 谷選手は旧姓の田村で出場した2000年シドニー大会で五輪初優勝を果たし、03年12月にプロ野球オリックスの谷佳知選手と結婚。世界選手権は6連覇中だった。 妊娠は24日に関西の病院で検診を受けて判明したという。今回の辞退で連覇記録は6で途絶えるが「ブラジルでの(2007年)世界選手権で7回目の優勝をすることが7連覇であると考えている」と話した。 <コメント> いつものように,明るい話題に包まれている谷亮子選手。日本では,殆ど例が無いですが,母であり名選手であり…の路線を目下驀進中といったところ。良いママになり,なお輝き続けて欲しいです。 長嶋元監督7・3公の場へ 巨人-広島観戦で最終調整 脳梗塞(こうそく)からの復帰を目指してきた長嶋茂雄元巨人監督(69)が、7月3日、午後5時から東京ドームで行われる巨人-広島戦を観戦する方向で最終調整が進められていることが27日、明らかになった。 観戦が実現すれば、脳梗塞で緊急入院する直前の2004年3月2日、長嶋氏および巨人を支援する財界人主催の会合「燦々会」以来1年4カ月ぶりに公の場に姿を現すことになる。 長嶋氏は昨年3月4日に不調を訴え、東京都内の病院に入院。懸命なリハビリによって順調に回復。ことし5月16日には巨人の球団公式ホームページ(HP)に「まもなく皆さまに球場でお会いできるでしょう」とファンにメッセージを送ったことから、いつ公の場に復帰するのかが注目されていた。 <コメント> 長い闘病生活を経て,病状に見通しが見えてきたミスター。北京オリンピックがどうなどと,巷では言われてもいますが,とりあえず元気なところを見て安心したいという気持ちがあります。
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| 2005-06-28 03:25
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