ロンシャンの落とし穴に武豊ははまらない。ディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)が挑戦する凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月1日)の舞台を実際に歩いた記者と、ジョッキーたちの証言を交えて解剖。3コーナーの上り下り、仮サクが外されるスペースのさばき方が勝敗を分ける。 パリ郊外ブローニュの森を抜けると、ロンシャン競馬場の向正面に突き当たる。2400メートルのスタート地点に立つ風車、野うさぎがすむ3コーナーの小森が、鮮やかな緑の芝生に映える。伝統と格式を感じさせる美しいコースには、いくつかのトラップが仕掛けられている。 一見して分かるコースの特徴は、3コーナーを頂上とする高低差10メートルの「丘」。レース中盤の難所でスタミナを消耗するようでは、最後は脚が上がらなくなる。頂上からゴールまで1400メートルもあるのだ。ディープインパクトが天皇賞(春)を制した時の3角発進は通用しない(ちなみに京都の坂は高低差3・9メートル、頂上からゴールまで820メートル)。武豊を直撃すると、無用のせんさくは退けられた。「大丈夫ですよ。僕が分かっていますから」。94年にホワイトマズルで凱旋門賞を経験し、ロンシャン2400メートルで勝ちクラもある天才に恐れはない。それどころか「乗りやすいコースですよ」と言い放った。実力馬ほど力を発揮できるフェアなコースと受け取った。 凱旋門賞に2度挑戦した蛯名は「豊なりにいろいろ考えていると思う」と推測する。やはりポイントは坂の下り。「頂上から惰性でいかないこと」。下りこう配は3%(100メートルで3メートル下る)で、上りの2・4%よりもきつい。エルコンドルパサーも我慢が利いたからこそ、見せ場十分の2着に逃げ粘れた。ディープインパクトは、昨夏からみっちりと教え込まれてきた「我慢」の成果が試される。 凱旋門賞デーには仮サクが外される。これも大きなポイントになる。蛯名は言う。「内の4、5頭分の馬場がいい。馬の脚質や展開によっては外を通る馬もいるかもしれないけれど、それで勝つにはダンシングブレーヴのような抜けた力を持っていないと難しい」と外を通るリスクを認めた。 最近10年の平均出走頭数は15・2頭。ディープインパクトは直線で馬群を縫って抜け出すようなレースはしていない。恐らく内を突くバクチは打たないだろう。フォルスストレートと533メートルの直線を合わせると1000メートル近くある。天才がどこで外に持ち出すのか。どこで追い出すのか。グリーンベルトの中で勝負するのか。はたまたダンシングブレーヴのような大胆な作戦を取るのか。外国馬や外国人騎手に対する強力な地元の包囲網はホワイトマズルで経験済み。苦い経験は最強馬のために生かされる。<コメント>現地でも好調キープのような同馬。どんな風に魅せてくれるのか?
by afternoon_news
| 2006-08-29 11:40
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