髄液漏れ 無理解が子ども苦しめる…文科省が周知方針 交通事故やスポーツなどで発症するとされる「脳脊髄(せきずい)液減少症」(髄液漏れ)を巡り、文部科学省は髄液漏れの存在について幼稚園から大学までの学校現場に広く周知することを決めた。発症が疑われる児童・生徒には、医療機関の受診を指導させる方針。医学界で発症報告が増加していることや、患者側の「教師や同級生の無理解が子どもたちを苦しめている」との声を重視した。国による具体的な取り組みが明らかになるのは初めて。 同省スポーツ・青少年局によると、髄液漏れに関する医学的な報告例が増え、「スポーツなどの外傷によっても発症することがある」と分かってきたという。このため、教師たちに髄液漏れの存在を周知し、児童・生徒で発症が疑われるケースについては、医療機関で適切な治療を受けるよう指導させることを決めた。早ければ年内にも教育関係者が集まる会議などで周知を図る。教育委員会を通じて文書を出すことも検討する。 患者側からは、学校現場の患者数などの実態調査を求める声もあるが、医学界での診断基準が固まっていないことなどから、時期尚早と判断した。 17日、二女(19)が中学1年時に発症した千葉県の鈴木裕子さん(60)らが池坊保子副文科相と面会し、学校現場の理解を求める1万9100人分の署名を提出した。記者会見した鈴木さんは「当初は何の病気か分からずに医療機関を転々とした。教師から不登校と見られ、親子でつらい思いをした。外見は悪いところがないので、怠けていると誤解される。いじめに遭うケースも少なくない」と訴えた。 髄液漏れ 暫定ガイドライン、厚労省に提出 医師グループ 「苦しんでいる患者の治療に役立ててほしい」。髄液漏れを研究する医師グループ(約30人)のメンバー2人が17日、厚生労働省疾病対策課と医療課を訪れた。グループ作成の「暫定ガイドライン」を提出し、研究の後押しなどを求めた。 2人は国際医療福祉大学付属熱海病院(静岡県)の篠永正道医師と山王病院(東京都)の美馬達夫医師。仲間の医師とともに研究会を作り、3000以上の症例から暫定版のガイドラインを作成した。髄液漏れの定義について「髄液が持続的ないし断続的に漏出することによって、頭痛、けい部痛、めまい、耳鳴り、視機能障害、けん怠などさまざまな症状を呈する」などとした。 暫定版は10月の日本脳神経外科学会総会で発表されたが、同学会は採用せず、他学会と連携して新たなガイドラインを作成することを表明した。 会見した美馬医師は「苦しんでいる患者がいて治療を迷っている医師たちがいる。新ガイドラインができるまで暫定版を参考にしてもらいたい」。篠永医師も「研究のたたき台にしてもらえたら」と話した。
by afternoon_news
| 2006-11-18 10:02
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