郵政民営化に反対した議員11人の自民党復党が27日事実上決まったことを受け、「刺客」として彼らと戦った新人議員らは同じ選挙区に強力なライバルを抱え込むことになった。「これでは(自分のように)公募に手を挙げる人がいなくなる」と反発する人、あくまで自身を「正統派」とアピールする人、沈黙を守る人……。それぞれに「使い捨て」にされたくない危機感がのぞき、地元では早くも「骨肉の争い」を心配する声も出た。 「造反組」のジャンヌ・ダルクといわれた野田聖子元郵政相と戦った佐藤ゆかり氏(岐阜1区)は午後、会議出席のため険しい表情で党本部に姿を見せた。殺到する報道陣に「(野田氏が)復党の方向になったんですか? 聞いてません」と質問をはねつけた。 佐藤氏は午後5時、復党に反対する新人議員ら12人とそろって記者会見に臨んだ。「民営化反対で国民の支持を受けた人は、次の選挙で民営化賛成で(戦い)当選後に復帰する手続きを取るべきだ」と発言。野田氏らの復党の動きを批判した。また党の復党容認姿勢には「憂慮すべき問題です」「党改革の一環として公募したのに。これでは、公募に手を挙げる人がいなくなってしまいますよ」といらだちを隠さない。「これでは、無党派層を取り込めません」と早口にまくしたてた。 昨年初当選した新人の衆院議員、いわゆる小泉チルドレンに対して、生みの親の小泉純一郎前首相は「政治家は使い捨てにされることを覚悟しなくてはならない。甘えちゃだめだ」と今月7日の会合で語ったばかり。しかし、小野次郎氏(山梨3区)は「(復党は、一括で認めるのでなく)個別に審査する話だ」と反発した。復党する堀内光雄元通産相と戦った長崎幸太郎氏(山梨2区)は事務所で「2区支部長として有権者のために努力するのみ」と小選挙区候補を譲る気がないことを強調した。 佐賀県唐津地区で「保利党」があると言われるほど厚い支持層を持つ保利耕輔氏。その保利氏に敗れた広津素子氏(佐賀3区)は朝、事務所に姿を現したが「ノーコメント」と沈黙を通した。 平沼赳夫元経済産業相と同じ岡山3区の阿部俊子氏は昼前、国会近くのホテルで平沼氏の復党願提出の知らせに、一瞬目を見開いて驚いたが、復党が認められない方向と聞き「私は粛々と選挙区で頑張ります」と気を取り直した様子だった。 歓迎と懸念の声交錯 復党組と刺客双方を抱えた地元は、歓迎と懸念の声が交錯した。 野田氏と佐藤氏がぶつかる岐阜1区。野田氏を支持する自民党岐阜市連の堀征二幹事長は「スムーズに復党になって、ありがたい。選挙区で勝ったのは野田だと佐藤氏には理解してほしい」と喜んだ。しかし、佐藤氏を支援してきた玉田和浩県議は「今後は党内部の骨肉の争いになりかねない」と不安を口にした。 堀内光雄氏、保坂武氏の2人が復党見込みの山梨県連。山下実会長は「県内の自民党国会議員が6人になり、保守王国の復活だ。これで来年の参院選も戦える」とにこやかで、「選挙区で出る人は支持者の多い方だ」と選挙区調整にも自信を見せた。 やはり2人が復党見込みの佐賀県連の留守茂幸幹事長は「待ち望んでいたこと」と歓迎のコメント。3区で保利氏と広津氏の調整が必要になることには「党主導で決めることだ」と明言を避けた。
by afternoon_news
| 2006-11-28 09:08
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