では、どう付き合えば インフルエンザ治療薬の「タミフル」(一般名オセルタミビル)を服用後に、中学生がマンションから転落死した例が、愛知県と仙台市で相次いだ。同様の例は以前にもあり、服用による副作用の可能性が指摘されてきたが、厚生労働省は「因果関係は否定的」との立場だ。同省研究班は今冬、1万人規模での調査を進めている。タミフル服用についてどう考えるべきか、現状をまとめた。 >患者の異常言動は、タミフル発売以前から インフルエンザ治療薬「タミフル」は01年2月に国内販売が始まった。輸入販売元の中外製薬によると、インフルエンザ治療目的で延べ約3500万人が使用した。 タミフルは感染を予防するワクチンと異なり、ウイルスの増殖に欠かせない酵素の働きを阻害して、ウイルスが全身に広がるのを防ぐ。その結果、熱などの症状が、服用しないよりも平均して1日程度早く治まる。 流行すると多数の死者が出る恐れが指摘されている新型インフルエンザにも有効な可能性があるとされ、国や自治体が備蓄を進めている。 一方、腹痛や下痢、発しん、吐き気などの副作用があり、臨床試験では28%の患者で発生した。肝機能障害や肺炎など8種類が「重大な副作用」として挙げられている。 厚生労働省によると、タミフル服用後の異常行動死が最初に確認されたのは04年。インフルエンザ治療中の17歳の男性が服用後に自宅を飛び出し、トラックにひかれた。同省によると服用後に死亡したのは昨年10月までに54人。うち3人が転落など異常行動死で、残りは肺炎や肝機能障害などだった。16歳以下に限ると死亡は16人、異常行動死は2人だった。 中外製薬は05年末、医療機関を通して、患者やその家族らに注意を呼びかける文書を配布した。それによると、まれに意識がぼんやりしたり、とっぴな行動を取るなど精神神経系への症状が出る。 しかし、インフルエンザ患者が異常な言動を見せる例はタミフル発売前から知られており、転落死などの異常行動がインフルエンザによるのか、タミフルによるのかは解明されていない。
by afternoon_news
| 2007-02-28 12:25
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