脳梗塞(こうそく)で入院した患者の後遺症の程度は、病院によって大きく異なり、同じ病状の患者が、ある病院では自力で歩いて退院できるのに、別の病院では歩けなくなるなどの差が出ていることが、厚生労働省研究班(班長=岡山明・国立循環器病センター予防検診部長)の調査で分かった。脳卒中専門の内科医が多く勤務する病院ほど後遺症が軽く、専門でない内科医が治療にあたる病院で重かった。福岡市で開かれる日本脳卒中学会で、22日に発表する。 研究班は、国立病院機構に所属する病院のうち、脳梗塞の治療に熱心な26病院を対象に、05年から06年にかけて入院した脳梗塞患者合計1775人について、入院時の病状や、退院時の後遺症の程度を調べた。後遺症は、国際的な尺度に従い、全く症状がない「0」から、死亡の「6」まで7段階で点数化した。 最初の病状を考慮して回復の度合いを比較すると、50人以上の患者を治療した病院に限っても、最も軽い病院の患者は、最も重い病院の患者より約1.2点分、退院時の後遺症が軽かった。患者数の少ない病院も加えると、差は2・3とさらに広がった。 分析すると、治療チームに脳卒中専門医が9人以上いる病院は、5人以下の病院と比べ約0.4点、後遺症が軽かった。大規模な病院でも、専門医が少なければ治療成績は上がらなかった。一方、チーム内に脳卒中が専門でない一般内科医が1人でもいると、全員が専門医である病院に比べ約0・2点分重くなった。 岡山部長は「治療成績を集め、影響する要因を分析して向上する仕組みを確立すべきだ」と話している。
by afternoon_news
| 2007-03-22 09:46
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