メジャーリーグでは日本人野手勢がケガや不振で苦戦するなか、1年目のデビルレイズ・岩村明憲内野手が絶好調だ。なぜルーキーがここまで活躍しているのか。背景にある3つのワケに迫ってみた。 日本では引っ張り専門、三振も多かった岩村の打撃は、メジャー入りしてから明らかに変わった。日本人初のメジャーリーガーで野球評論家の村上雅則氏によると、「オフに神宮の練習場で中西太さんとやった流し打ちの特訓がうまくいった。オープン戦では苦戦したが、公式戦に間に合った」という。 かつて西鉄の名選手として活躍した中西太氏は99年にヤクルトの臨時打撃コーチを務め、その際に岩村が心酔。「何事にも苦しむことが後の礎となる」という哲学から生まれた座右の銘「何苦楚魂」の精神も中西氏から受け継いだものだった。 <流し打ち特訓奏功> 「投手だったら日本時代の自分の投球をそのまますればいい。ただし野手は違う。ストライクゾーンや球種が全く異なる。中村紀洋(現中日)は自分のスタイルを崩さずに挑戦して、結果はあの通り。岩村は環境の変化にあわせ、見事に適応した」(村上氏) 特にこれまで敵地で放った計6安打はいずれも左方向だ。「このまま自然体で色気を出さなければ3割も夢ではない」と村上氏の期待も高い。 <監督から厚い信頼> 2つ目には監督からの厚い信頼があげられる。「マドン監督は機動力野球の信奉者で、走攻守の三拍子そろった岩村は大好きなタイプの選手」とは、『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑』(廣済堂出版)の編著者、友成那智氏だ。 06年に就任したマドン監督はメジャーナンバーワンの知将として知られるエンゼルス・ソーシア監督を、参謀格のベンチコーチとして6年間支えてきた。ソーシア監督は機動力重視の「スモール・ベースボール」で成功した監督で、その背景には知恵袋だったマドン監督の存在があった。 「マドン監督は岩村が盗塁に失敗しても全く気にせずどんどん盗塁のサインを出している。これはほれ込んでいる証拠。チームはクロフォード以外は長打狙いの打者ばかりなので、自分の野球哲学通りに動いてくれる岩村がかわいくて仕方ないはず。コメントも好意的なものばかりで、岩村自身も監督の思いを感じ取って必死なのだろう」(友成氏) <本拠地が人工芝> さらに神宮でプレーしてきた岩村にとって本拠地トロピカーナフィールドの人工芝は大きな味方だ。守備ではスピーディーな打球処理をみせ、「打球の勢いが殺される天然芝に慣れたメジャーリーガーたちにあの動きはできない」(同)。守備と走塁はスランプがないといわれるだけに、守りと脚でリズムをつかむ岩村はメジャーで高い数字を残せそうだ。
by afternoon_news
| 2007-04-16 12:49
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