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川崎通り魔 “目撃”の男を逮捕

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 川崎市宮前区の路上で5日、帰宅途中の保険会社員の女性(40)が背後から刺され重傷を負った通り魔事件で、神奈川県警捜査1課と宮前署は20日、同市高津区久末、会社員、鈴木洋一(ひろかず)容疑者(26)を殺人未遂容疑で逮捕した。鈴木容疑者は「私はやっていません」と否認している。同課は同署に捜査本部を設置し、詳しい動機などを追及する。


 調べでは、鈴木容疑者は5日午後10時25分ごろ、同市宮前区野川の路上で、女性の背中と腰の2カ所を刃物で刺し、1カ月の重傷を負わせた疑い。

 鈴木容疑者は事件の約1時間後、左手の指に切り傷を負った状態で宮前署を訪れ、「レンタルCDを返しに行く途中で包丁を持った男を見かけた。後をつけると、男は前にいた女性に襲いかかった。止めに入ったが、振り向きざまに左手を切られた」などと説明。女性を介抱しなかったことについては「救急車の音が聞こえ、女性も大声を上げたので誰かが介抱すると思った」と説明していた。

 同課は鈴木容疑者が事件を目撃したと説明しているにもかかわらず、すぐ警察に届けなかった点などを不自然とみて、6日夜に容疑者不詳のまま自宅を殺人未遂容疑で家宅捜索。室内から押収した血の付いた衣服などの鑑定を進めていた。

 さらに現場周辺で聞き込み捜査を続けたが、鈴木容疑者と男がもみ合っているような姿の目撃証言はなく、現場には鈴木容疑者と被害女性しかいなかったと判断。被害者の女性も刺した男に「似ている」と話していることなどから、逮捕に踏み切った。

 殺人未遂事件の現場から約1キロ北西の同市宮前区梶ケ谷の市道トンネル内では昨年9月、深夜に帰宅中のアルバイト女性(27)が刺殺される事件が発生。05年3月にも同市高津区梶ケ谷4で帰宅途中の女性(当時43)がオートバイの男に背中を切りつけられ重傷を負う事件が起きた。捜査本部は両事件との関連についても慎重に捜査を進める方針だ。

 
>被害者の夫、容疑者に憤り


 「うれしいが、否認していると聞くとカーッとなる」。被害者の夫(41)は容疑者逮捕に複雑な表情を見せた。

 鈴木容疑者は20日午前5時50分ごろ、捜査員数人に囲まれて川崎市宮前区内の実家を出た。野球帽を深くかぶり、ワンボックスワゴンの後部座席に乗り込んで同署に向かった。鈴木容疑者の自宅がある同市高津区久末の市営団地の住民によると、鈴木容疑者は04年8月に新築の団地に移り住んだ。妻と就学前の子供2人と同居。近くの無職男性(65)は「話すとニコニコする人で、奥さんが2人目を産む時も、よく上の子の面倒を見ていた。まさかあの人が」と驚いていた。30代のパート女性は「週末によく家族で遊びに行く姿を見た。会えばあいさつをする、ごく普通の人です」と信じられない様子だった。

 被害者の女性は同市内の病院の集中治療室から一般病棟に移り、現在も入院したまま治療を続けている。容疑者逮捕について夫は20日午前、報道陣に「これから病院に行って『逮捕になったよ』と伝えたい」とややほっとした表情で話した。事件の話は本人が怖がるので、これまでは一切していないという。
by afternoon_news | 2007-04-20 13:35 | ニュース
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