フランスのシラク大統領(74)の任期満了に伴う大統領選の決選投票が6日行われ、保守系与党、国民運動連合(UMP)党首のサルコジ前内相(52)が社会党の女性候補、ロワイヤル元家庭担当相(53)を破り、当選した。初の戦後生まれの大統領となるサルコジ氏は、シラク氏の親日路線に否定的な見解を示しており、相撲についても以前「知的なスポーツではない」と発言。シラク氏が大相撲優勝力士に贈ってきた仏大統領杯も夏場所(13日初日)での贈呈は見送られることになった。 フランスの大統領交代劇で、大相撲の優勝賞品が1つ減る-。愛犬に「SUMO(すもう)」と名付けるほど親日家で好角家のシラク大統領が退任し、サルコジ氏が就任したことで、前代未聞の珍現象が起きる。 もともとは師弟関係だったシラク氏を意識するあまり、反発してきたサルコジ氏は、これまで大相撲に否定的な態度をとってきた。04年の訪中時に「相撲は知的なスポーツではない」と発言。これがフランスの週刊誌上で伝えられ、物議を醸したことがあった。 ここで問題になるのは、大相撲幕内優勝力士に毎場所贈られている「フランス共和国大統領杯」だ。フランス大使館広報は「まだ何も決まっていません」と話すが、夏場所は見送る方向で調整していることが分かった。この賞はシラク氏が00年名古屋場所から新設した賞で、陶器の壺(つぼ)と表彰状が授与される。幕内優勝力士には天皇賜杯以下22(今年初場所)の賞が贈られるが、同賞は8番目に贈られる権威あるもの。これまで41場所で曙、貴乃花、武蔵丸、朝青龍らが受け取った。 最大のネックはこの賞が単なる大統領杯ではなく、ジャック・シラク杯と命名されていることだ。サルコジ氏が、大統領就任で大相撲への理解を示したとしても、シラク杯をサルコジ名で渡すわけにはいかず“お蔵入り”にならざるを得ない状況になった。 日本相撲協会理事で総合企画担当部長の伊勢ノ海親方(元関脇・藤ノ川)は「相撲嫌いとは聞いてますが、一から正しく大相撲を理解していただくチャンス」とこれまで同様に海外普及に精力的だ。2月にフランス大使館を訪れ、現在、推奨中の「相撲健康体操」のDVDフランス語字幕版をジルダ・ル・リデック駐日大使に贈呈するなど、対策は打っている。健康志向のサルコジ大統領が、この相撲体操にはまって、サルコジ杯創設という展開になればいいが。
by afternoon_news
| 2007-05-08 11:49
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